そんなことを考えながら、カゴの中へ割高な食材を入れていく。
料理は得意じゃないがお金をもらっているのだから、それなりのものを出したい。
今は動画で料理の解説をしてくれるサイトが豊富で、気が付けばいつもそれと睨めっこをしていた。
しかも、榊原さんはなんでもおいしいと食べてくれるから本当作り甲斐がある。
だけどしばらくは彼とは別メニューだ。
ダイエットのために糖と脂肪を徹底的に制限していく。榊原さん用の食材とは別に、ササミ肉や豆腐、納豆などの自分のダイエットフードもカゴへ入れていった。
……、なんていう私の意気込みも空しく。
家に戻ると、リビングテーブルの上に、大量のケーキ達。
照明に照らされてキラキラ光る可愛いケーキ達。一際テカテカと光る真っ赤な苺タルトに、瑞々しそうなメロンケーキ、ガトーショコラもとってもチョコが濃厚そう、定番の苺のショートケーキもある。そしてそこに更に彩りを加える、パステル色のマカロンズ。
「……ねぇ、これはなんの嫌がらせ?」
思わず眉間に皺が寄ってしまう。
「何が良いか分からなかったから目についたやつ適当に買ってきた」
「誰がこんなに食べるのっ!?言っとくけど、私絶対食べないからね」
「せっかく買ってきたのに、人の厚意を無下にするのか」
「うぅーっ、もう、分かった。明日お互い会社に持っていこう、ちーちゃん甘いの好きそうだし。そっちだって奥森さんとか西篠さんにさ。このガトーショコラなら片桐さんとか男の人も食べれそうじゃない?」
「はぁ?なんで?お前のために買ってきたのに、それじゃ意味ないだろ」
「その気持ちは嬉しいけど、でも榊原さんだってこんなに食べれないでしょう?」
「俺は食べないよ、甘いの苦手だもん」
「はぁ!?じゃなんでこんなに買ってきたの」
「だから、お前に食べさせたくて」
「私は食べたくないって言ってるんだけど」


