そんなことを喋って笑いあっていたら、いつのまにかまたやって来てたモモ姉。


『シンラ、イサキ、大変大変!

あのね、に、庭に、そう、マブシ!

が、でたの!

おっきいの!』


……マ、マブシ……?


って何?


櫃まぶし……な訳ないかと頭を捻ってたらシン兄、いつのまに用意してたのやらスパコーンとモモ姉につっこむ……そう、ハリセンだ。


『スキンヘッドな巨大オヤジでも出たんかい!?

とりあえずハブかマムシか、どっちかちゃんと決めてから出直してこい!』


……いや、いやいや、何故あれで分かったシン兄?


自分は、むしろシン兄の方につっこみをいれたくなった。


あれですか、仕事上とはいえパートナー組んでるつか相棒やってるから、なんとなく分かる、とか……阿吽の呼吸ってヤツですか。


だけどモモ姉は、またもや分かりやすく見事な膨れっ面だった。


『モモ姉、嘘にリアリティがなさすぎなんだよ…』


憐れみというか同情というか、そんな思いを込めてモモ姉に囁く。


『……今度こそ!

今度こそ、みてなさいよ!?』


さりとて彼女の辞書に、諦めるという文字はなかったんだよな……。


豪快にドスドスと出ていったモモ姉に二人して顔を見合わせて、次はどんな嘘がくるのかを予想して笑いあっていた。


……だけど。


モモ姉三度目の正直、じゃないか、三度目の嘘は、非常に厄介だった。