そのまま、俯くように見つめていると

影が重なった


愛桜ちゃんだ



愛桜ちゃんは、俺の右手を取って両手で握った

まるで、壊れものを扱うかのように優しく




「愛桜ちゃ、」

「優は、汚くない。」




さっきの表情のまま、また優しくそう言うから

俺は泣きそうになった




「ねぇ愛桜ちゃん。聞いて。」

「うん。」



俺は、語り出す

人が信じられなくなった時のことを--