「愛桜...」

「いいんだよ、皐月」

「でも、」

「いいから!」

「...分かった」




皐月はまだ何か言いたそうだったけど

口を開きかけて真一文字にきゅっと引き結んだ



「皐月は待ってて。屋上に行ってくる。」

「....うん」



屋上の扉を開けると

ベンチに腰掛ける璃咲

どこから持ってきたのかソファに座る【蒼月】




「愛桜ちゃん!買ってきてくれた?」

「はい、これで合ってる?」

「合ってる!さすが覚えてるね!明日はあたしが買ってあげる!」

「ふふっ、ありがとう。でも、しばらくは一緒に食べれないかな。」

「どうして?」

「あ、璃咲は大丈夫だと思う。」




そう言うとハッとなる璃咲

そして、呟いた



「まさか...」



私たち全員にその言葉は聞こえた



「そう、そのまさかだよ。」

「どうして!?あいつは!」

「うん、私も知ってる。だから、言ってるの。」

「本当に?ほんとにあいつなの?」

「璃咲のことも忘れてるかもだけど、会いたい?」

「...あたしは無理。あいつに、壱馬に会うなんて...」

「璃咲っ!!」



思わず叫んだけど、もう、遅かった

私の声は、間に合わなかったんだ...