「だから、全然族は知らないの」

「まあ、最初に姫ってなに?って訊いたもんなぁ」

「瞬矢のクセに覚えてるんだ?」

「あのなぁ、半日もまだ経ってねぇから。」

「いや、半日はもう経ってるよ。もう12時だもん。」




全員の視線が壁に掛けられた時計に向く

すると、ドアが叩かれた



「総長。」

「どうした?」

「いえ、そろそろお昼なので。」

「あぁ、頼んでいいか?」

「何か買いに行くの?奏翔。」

「違う。」

「え?じゃあ...」



そう言い掛けると奏翔と話していた子がこちらに向き直った