「奏翔、ちょっとだけいい?」




奏翔が頷くのを視界に入れてから倉庫内を見渡す

璃咲と目が合って璃咲は笑いかけてくれた





「1つだけ、お願い...いえ、約束して欲しいことがあります。」





できるだけ一人一人の目を見て告げる


お願いじゃなくて約束にした理由は一つだけ

お願いだと一方的になってしまうから





「姫だからって、私を護って死ぬような真似はしないで。

私だって親戚に〈永夜〉も〈剣夜〉もいるから喧嘩できるの。」





そう言えばみんな驚いた顔をしていた

ケンくんとヨウくん、ルカちゃんは笑みを浮かべていたけど





「だから、自分のことを貴方たちに護ってもらうだけのつもりなんてない

自分のことは収められるだけ自分でやる

それでも無理なときはお願いしちゃうかもだけど...」






自分で言ってて、頭の中が混乱してくる

思わず苦笑いが零れる






「えっと...とりあえず、それだけ。

あはは、締まらなくてごめんなさい。」