「幸せすぎて怖いなー」





手を繋いで屋上を出るとき、愛桜はのんびりとした口調でそう呟いた

....ちょっと分かる



そういう気持ちを込めて、繋いでる手に力を入れ直すと

愛桜も少しこっちを見て力を入れ直してくれた





「ふふっ。」

「愛桜?」

「ん、幸せだなぁって」

「さっきからそればかりだな?」

「言いたくなるに決まってる」

「そうか?」

「うん」





声とともにこくりと愛桜は頷いて少し寂しげに目を伏せる

だけど、瞬きの瞬間にその表情はすっかり消えていた






☆★奏翔side.end★☆