「あーあ、やっちゃった。

上履きどうしよう・・・。」



裸足のまま、気付いたら屋上まできていた。



1限目はとっくに始まってるし、新しい上履きを買うにも、購買は休み時間しか開かないし…。


当然サボる以外の方法は見当たらないので、次の休み時間になるまで屋上で過ごすことにした。



―――たまにはいいよね、こんなのも。



屋上のドアに背をもたれて、空を仰ぎ見る。


何だったんだろう。

あの時の胸の鼓動は・・・。



いつになく先生を優しく感じたから?


あんなところを先生に見つかっちゃったから?



言いようのない感情の正体がわからないまま、空に流れる雲を見つめていた。