やっぱり4時半は早かった。

駅についたは良いものの、
 
どこのお店もやってないし。

ガランとしている。

それでも、ここからまた一時間、

バスかタクシーを使わなければいけない。

駅を出て辺りを見渡すと

1台のタクシーが

数百メートル先に止まっていた。

私はその場所に歩いていき、

運転手さんに声をかける。

「――町までお願いします。」

そう言うと運転手さんは

車を発進させた。

「――にしても、お嬢ちゃん。こんな早くにどうしたんだい?しかも、今から行く場所って一時間くらいかかるけれど…」

運転手さんのおじさんにそう言われて

私は笑顔で答えた。

「――大切な人に会いに来たんです。」