「はっ?」

提案に驚いてか、

ギターを弾くのをやめた少年くん。

「私、一人暮らしだし。いいよ。部屋余ってるからうちにおいで。」

そう続ける私に

「ちょっと…自分で言ってること分かってる?」

と心配そうに少年くんは問いかけた。

「分かってる分かってる~」

「…全然説得力ねぇんだけど。」

「わかってるってばぁ…」

そう言っていると急に重たくなった瞼。

頭も急に重たくなってコクンと前へ

倒れる。

「おい!大丈夫か?」

咄嗟に少年君が受け止めてくれたようだった。

「わかってるってばぁ…」

意識がどんどん遠退く感じがした。

はぁ…と少年くんのため息が聞こえる。

「…家どこ?」

私は半分夢見がちに家の住所を言って

そこで記憶が途切れた。