もしかしたらライは嫌だったのかもしれない。

私の家族の事を聞くことが。

だって、ライには家族がいない。

何があったのか知らないけれど

それでも、他の家族の事を聞くことほど

羨ましくて悲しくて妬ましいことは

無いのじゃないかな。

さっき聞こえなかったあの「―――な。」って

いいなって言ったのかもしれない。