「ねーねーライごめんってば!許して!」

「だから怒ってないっつーの!」

いや、どう見たってその口調怒ってるでしょ。

「ねー、ライ~」

私はライの顔を覗きこむ。

彼の顔は腕で隠されてよく見えなかったが

それでもほんのり赤い気がした。

「ライ、もしかして……」

私は心配になった。

ライは私から目を背ける。

「もしかしてライ、熱あるの?」

「…は?」

返ってきたのはそんな間抜けな回答だった。

「ライ顔赤いよ?慣れない生活して熱出たんじゃない?今日のお夕飯お粥が良―「あーもー!!」」

私が本気で心配して喋ってるのに

またライは怒りだした。

え?今、怒るポイントあった?

「熱ないし風邪も引いてない!」

そう言い切るライ。

いや、でも

本人が分かってないって時もあるし…

「でも…一応熱計―「良いから!」」

ライは強くそう言うと
 
「夕飯の買い物してくる!」

と外へ行ってしまった。

今日のライはさっぱり分からない。

私はソファーの上に置き去りにされた

ギターに質問した。

「ねぇねぇ、ライは何を怒ってるのかなぁ?」

返事はもちろん返ってこなかった。