昼下がりの屋上。空は雲一つない快晴。お昼ごはんを食べに生徒が2人のうち、曇天な表情を浮かべる少女が1人呟いた。

「…ついに、やってしまった。」

手には赤色の×が沢山見られる、テストの答案用紙が1枚。

「どうしよう…チカちゃん。」
「ちょっと、曇る空気ださないでよ。ご飯が不味くなる。」
「チカちゃん冷たーい。」
「ミサ、ご飯食べないなら食べていい?」

ミカと呼ばれた少年はテスト用紙とにらめっこしてるミサのお弁当に手を伸ばす。

「食べますよ、食べますー!!」

やっとテスト用紙を手放しご飯を食べ始めるミサに対し

「ご馳走様でした。」
「へ?チカちゃんもう食べたの?!はやっ」
「早くないよ、ミサの変わりもしない点数との葛藤が長すぎなの」

そう言いながらチカは弁当箱を包み手を合わせた。

「今回は頑張ったのになー」
「何を?」

もぐもぐしながら話すミサを横目に読書を始めたチカが応答する。

「やる気スイッチ見つけるの。」
「………。」

ミサの的を外れた答えに長い溜息をつく。

「ま、蓮さんから怒られるのは確定案件だ。そんなことより、早く食べないと休み時間終わっちゃうぞー。」
「ヤダなー、蓮さん怒るとこわいモン」

ミサは残ってたウインナーと玉子焼きを口に放り込み喉に詰まらせ、チカから差し出されたお茶で流し込む。

「よし、ご馳走様でした!!」
「よく食べました。」

そうして二人屋上を後した。

…テスト用紙は風に舞い飛んでいった。