ヤられてもなんも思わない。
殴られてもなんも感じない。
おっさんにニヤニヤとかされても
キモいとも思えない。

いつの日からだろう。

感情に鍵をかけた。

悲しくならないように...

自分を守るために。


そうやって、自分を売る日々は8ヶ月続いた。

気づけば、16歳になってた。

私の誕生日は1回しか聞いたことないけど

たぶん、今日。

4月1日。エイプリルフール。

私、産まれたことすら嘘だったんじゃないか

っていう、笑えない冗談。


『(今日、私誕生日か...あとちょっとで終わるけど..)』

「お~い、そこの子~」

はぁ、こういう人いるんだよね...

何円かな。

まぁ、既婚者なら口止め料もほしいところだけど...

そう思ってた。
というか、今日の寝るとこが決まって
ラッキーくらいに思った。

『何円...』

「はぁ?やっぱり風俗とか、そういうのしてるのか...」

『...なんか用...てか、誰。』

「通りすがりのおじさんだ。
キミ、高校生でしょ?高校は?」

『…行ってないけど。
...何で私そんなことあんたに聞かれてんの』