なんもいらない、君以外。


ここの人たちはなんなんだろう。

こんなに温かい人がいるなんて、知らなかった。

この人たちにとって私は捨て犬みたいなもん
なんだろうか...

切実にそう思った。




その日はリビングで寝た。

意識が飛んでしまうちょっと前に温かい重みが体にかかる。
床で寝たからベッドみたいに柔らかくないのに今までで1番よく眠れた。


夢をみた。

男の人が幼い女の子を抱き締めながら

泣いていた。

ごめんな、ごめんなって、何度も何度も

謝ってた。


──────もう、分かったから。

       怒ってないから。
   
       誰か、パパを解放してあげて。


切ない夢...