「美春、そんな顔すんなよ」


「そんな顔って?」


「さみしくて、誘ってるような顔」


「・・・誘ってなんか、ないし」


「クリスマスまでとっとこうって我慢してたのに、そんな顔みたら我慢できねーだろ」


「竣くん?」


「美春のファーストキス、俺がもらうから」


「えっ?」


竣くんは、私の唇にそっとキスをした。


初めてのキスは、コーヒーの味だった。


苦手だったコーヒーも、竣くんの影響で好きになった。


「もっともらっていい?」


「・・・うん、あげる」


今度は私から、唇を重ねた。


自分でも驚いたけど、体が勝手に動いてしまった。


「美春、我慢できなくなるから、ストップ」


そう言いながら、私をギュッと抱きしめた。


「俺、ソファー買おっかな」


「なんで?」


「イスだと、美春と密着できねーだろ」