「わかった、今度話してみる」


「よしよし」


いつもするみたいに、私の髪を優しくなでてくれた。


手をつなぐたびに、髪をなでてくれるたびに、その先は?って期待してしまう自分に、ずっと前から気づいていた。


キラキラ光るクリスマスツリーを見ながら、竣くんは今までどんな風にクリスマスを過ごしてきたんだろう、って想像した。


5つも年上だし、彼女がいなかったわけないし。


今いる竣くんの部屋には、特に女性の痕跡は感じないけど。


きっと、元カノたちに比べたら私はまだまだ子どもで、そういう対象に思えないのかもしれない。


「またなんか考えてんだろ」


「クリスマスツリー、きれいだなって」


「俺、初めて飾ったけど、なんかいいよな」


竣くんは立ち上がると、私の左隣に座った。


4人がけのダイニングテーブルに向かい合って座っていたけど、竣くんはツリーを背に座っていたから、よく見えるように座り直したんだと思った。