桜の季節、またふたりで

「それでは、誓いのキスを」


神父さんに言われ、リハーサル通りに竣くんはベールをあげた。


「恥ずかしかったら、唇にキスしなくてもいいですよ。


そういう新郎様もたくさんいらっしゃいます」


リハーサルの時にプランナーさんに言われたら、


「じゃあ、その時の気分で決めます」


竣くんは、イタズラっぽく笑ってたっけ。


どこにキスされるんだろう、って構えてる私を竣くんは数秒みつめたあと。


唇に、今までで一番優しくキスしてくれた。


数秒だったんだろうけど、永遠に続くような、いつまでも忘れられない感触だった。



挙式が終わり、一度控え室へ戻った私たちは、緊張が少しほぐれて二人で同時に笑った。


「竣くん、すっごい緊張してたでしょ」


「美春だって、手が震えてたけど。


こっからは、みんなで楽しもうな」


「うん」



私たちの人生は、まだまだこれからも続いてゆく。


そして、その隣には、ずっと竣くんがいる。


竣くんが、ずっと一緒にいたいって思ってくれるように。


私は、もっともっと頑張りたい。


「よし、行くか」


竣くんは、グローブを外した私の左手を握った。


そう、ここからが、私たちの新たな始まり。




○o。. fin .。o○