桜の季節、またふたりで

後悔と不安でグチャグチャな気持ちのまま、最寄のバス停で降りた。


道路を渡ったところに、店舗が見えている。


信号が青になったのにも気づかないほど、緊張していた。


走って横断歩道を渡り、店舗の前に着いてしまった。


恐る恐る、不審者のように近づいていく。


閉店時間まで、あと30分足らず。


竣くんは、整備スペースにいるのかな。


直接そこに行く訳にはいかないし。


かといって、受付を通して呼び出してもらえるものなのか、わからない。


その時、ちょうど店舗から出ようとしている車がいて、ヘッドランプが光った。


まぶしくて、思わず歩道の端へよけた。


「ありがとうございました!」


車を見送る声が聞こえた。


あれ、今の声って・・・


竣くんだよね?