「美春ちゃん、いま誰のこと考えてた?」


「えっと、その・・・」


斉藤さんに頼りそうになったなんて、言えない。


「そのうち、彼のことなんて思い出さないようにするよ」


そのまま、肩を抱かれた。


私の右肩にのせられた斉藤さんの右手から、熱を感じた。



「で、美春はどうするつもりなの?」


「どうって言われても・・・」


まどかと二人で、お互いの学校の中間地点のカフェで、斉藤さんのことを話していた。


「私は、美春が斉藤さんに頼るのもアリだと思うよ。


五十嵐さんとのことがハッキリしてないのは事実だけど、折り返し連絡ないんだからどうしようもないじゃん。


斉藤さんは、美春のこと大切にしてくれると思うよ」


「でも、もし明日、竣くんから連絡がきたとしたら・・・」


「五十嵐さんに理由を聞いて、結論出せばいいんだよ。


美春はマジメだなあ、もっと気楽につきあってもいいのに」