突然横から聞こえた声に驚いて、声の主を辿る。



「えっと……」


そこには、優しげな表情をしたおばあさん。

急に声を掛けられた事にびっくりしした私は、口を開けたり閉じたり。



「ふふ。こんにちは。
そこは濡れるでしょう。中にお入りなさいな」



ひらひらとあたしに手招きをするその人が居るのは、正に今入ろうと考えていた喫茶店。


「い、良いんですか…?」


「店主の私が良いと言ってるんだから大丈夫。ほら、上がって上がって」