「まぁ、遠慮がちねぇ。少しは素直に『有難う』と言えば良いのに。」

「あ、有難うございます。あ、それより…………」

家政婦は、またまた遠慮がちに言った。

「何?ハッキリとおっしゃいなさい。」

「あ、はい。もう学院に行きませんと、遅刻しますよ…………」

「あぁ!やだ!行ってくるわ!」

あたしは、スクールバッグを掴んで、部屋を飛び出した。

「お嬢様、行ってらっしゃいませ~!」