「だから俺を抱き枕にしたんだろ?俺が好きだから」
「勝手に決めないで下さい!!私があなたを好きなわけないじゃないですか!!!」
この自分勝手な男は保健室の先生をうざがっていたあの“文哉くん”なのだから。
彼は勝村文哉。
3年3組。
色白で目が大きく目力が強い。
髪は栗毛。
身長は183cm。
心に響くような低音ボイスと私がお慕いしているWHITE様と同じ…違う。
似ている所がある男だ。
私が勝村文哉を好き?
WHITE様を好きだからって似ている所があるだけの男もイコール好きに…なんてなるわけない!
確かに声を聞くとあっ…てなるけどそれは一瞬。
自分勝手な行動や言動ばかりの男は私、大嫌いですから!!
「好きだから私があなたを抱きしめていたと思っているみたいですが、私はぐっすり寝ていて、隣にあなたが寝ている事を私は全く知らなかったんです。だから起きてあなたが隣に居て私がどれだけびっくりしたと思いますか?もし…はないですけど…もし仮に私があなたを好きだったとしても寝ている時に抱きしめるなんて事、私はしません。私、好きな人居ますし。なので…」
「うるさい。静かにしろ」
そう言うと勝村文哉は目を閉じた。
うるさいってちょ…。
「寝ないで下さいよ。私の話まだ終わってないですよ」
「……スー……」
寝てるし!!
本当に自分勝手なやつ!!!
「私はあなたを好きじゃありませんから!!!」
「……スー……」