『おい。起きろ』
心に響いてくる低音ボイスな声…。
WHITE…様?
『おい。起きろ』
WHITE様…じゃない…。
WHITE様が『おい』なんて言いません。
WHITE様が『起きろ』なんて言いません。
じゃああなたは…
「おい。起きろ」
誰?
「やっと起きたか…」
男…。
男!?
「おい。手をどけろ」
手?
私の手?
どこに…。
…あった。
男の首に私の両手がひっかかっていたのだ。
私はすぐに両手共ひっこめる。
「ったく。俺のベットに勝手に寝てたのも、隣に寝るのも許した心の広い俺を、抱き枕扱いするとはな」
…はっ?
「俺の…ベット?」
「ああ」
ああ?
「誰が…決めたんですか?」
「俺が」
俺が?
勝手…。
「何で私を起こさずに…隣に…寝たんですか?」
「起こすのは面倒だし。寝るのは当然だろ。俺のベットなんだから」
勝手……。
「さっきは…起こしてたじゃないですか…」
「俺を抱き枕にして俺の眠りを妨げたからな」
勝手………。
「なぁ。俺が好きか?」
……はっ?