パンが入っているビニール袋から目を外すとあの子が居た。

私が目に入った時と変わらずずっとあの子はパン達を見ている。


食べたいんだろうな……。

……よし!

「あっのう……。これ!」

私は持っていたパンが入ったビニール袋を男の子に差し出す。

「……どうぞ……」

私は恐る恐る男の子を見ると、澄んだ大きな瞳に会った。

「僕に……くれるの?」

私は激しく首を縦に振る。

男の子の表情が険しくなる。


やっ…ちゃったか……。