「菫ちゃんはたくさん泣いたのね」 「はい」 たくさん、そんな言葉以上に泣いた。 涙が枯れる、そんなことはないくらい泣いても泣いても涙が出た。 「私も最初はたくさん泣いた。いーっぱいいーっぱい泣いてたらね、桃太がね遺していってくれた物に気が付いたの」 とーくんが遺していってくれた物…? 「それは、たくさんの言葉と笑顔。あと、この部屋よ」 そう言ってとーくんのお母さんが開けてくれたドアの中を覗く。 この部屋、来たことない。