職員室のあの事件以来、私はほとんど和子先生には会えなかった。

いや、会っているには会っているか。

ただすれ違って挨拶するだけだけど。

和子先生は私が2年の時の国語の先生だった。

特別成績がよかった訳でもない私のことを覚えるはずが無い。

そう思いながら、廊下ですれ違う和子先生を眺めるのであった。