「あれ?知らない?」


平田は、少し茶色い頭をボリボリとかき、参ったなぁと言う表情をしている。


「どうしていないの?」

「宮坂、昨日カズキに病院勧めただろ?」

「うん…」


痛いと言うカズキを心配して確かに勧めた。
それがどうしたのかな?


「でなぁ?俺もよくしらねぇんだけど、昨日電話たら、今病院で緊急で入院になって、明日手術になったから修学旅行は、無理だって言ってたぞ」

知らなかった…

仕度に夢中だったとは言え、連絡をもう一度入れなかった私を、今更ながら後悔をした。


そんな様子を見てか、心配そうに二人は、私の顔を覗き込む。

「そっかぁ。ありがとうね。」

私は先に戻ると、ユキに伝えて元来た車輌へ、ふらふらと帰った。

途中、フミが声をかけてきたんだけど、もうそれどころじゃない。

カズキの元へ今すぐ飛んで行きたい!

その事ばかり考えていた。