「はぁぁ………」

私は1人、自分の病室への道程を歩いていた。

あと、半年……………………。

「…………っ」

なぜか、胸の奥から熱いものが込み上げてくる。

あれ……?
なんで、かな……。

「…………っく…。……………っ…」

目から、熱い滴が頬に伝った。

なんで、なの……?
涙、止まってよ……?

家族にも会えない。
誰も私のことなんて、必要としてない。
生きている意味なんて、ない。

いつかこうなることも、知ってたじゃん…?

なのに、なんで…………?


なんで、私は…………。

「……………っ。生きたい……っ、なんて……………思っちゃ……ダメでしょ…………っ」
「そんなこと、ない」

思わず漏れた本音に、声を返されびくっ、と飛び上がる。


「……っ!?だ、誰………っ」


振り返ると、藍色のパジャマを着た黒髪の男の子が立っていた。