車椅子の君との恋。

後輩に車椅子の子がいるって知って
数週間後の放課後、後ろから
誰かに名前を呼ばれて振り返ったら
車椅子に乗ってる俊貴がいた。

「先輩、お久しぶりですね!」

中学生の頃と変わらない笑った顔。
喋り方も仕草もあの頃のまま。

違っていたのは同じ高校の制服を着て
車椅子に乗っているってこと。

遠くからチラッと見かけたときに
俊貴だったりしてなんて思ったけど
まさか本当に車椅子に乗ってることに
びっくりしすぎて声が出なかった。

なんて声をかけていいか分からなくて
見つめることしか出来ないでいたら

「ちょっと時間ありますか?」って。

その言葉に頷くことで精一杯だった。