車椅子の君との恋。

「先輩は俊貴のことどう思ってますか」

もうすぐ冬休みになるくらいの頃に
昇降口のところで背後から彼女に
いきなりそう聞かれた。

きっと女の勘ってやつかな。
彼女は私の気持ちを知ってたのか
俊貴の死角になる位置からずっと
私のことを睨んでくることがあって
棘があって生意気な感じの喋り方も
私は気に食わなかった。

「俊貴のこと好きだよ?」

何食わぬ顔してそう言った。

「・・・え?」

まさか好きだと言うとは思っても
いなかったのか彼女は豆鉄砲を
喰らったような顔で立ち尽くしてた。

「後輩としての好きだからね?」
「別に恋愛感情とかないから」
「変な勘違いしないでよね」

相手に喋る隙を与えないほどの早さで
捲し立てるよう言い放って帰った。


恋愛感情ないなんて、そんなの嘘。
中坊だった私のくだらないプライド。