「いつもはバンド形式なんですけど。」 と、軽く挨拶を終えて帰り支度をする彼等。 彼等を見に立ち止まっていた人達はそれぞれの向かう方角へと歩き出しはじめた。 「あのっ!!」 このままでは2人が帰ってしまうと思った美沙は まだ2人が奏でる音楽の余韻が抜け切らない 真っ白な頭で咄嗟に話しかけてしまっていた。 話しかけるにしては大きすぎる声に 行き交う人々は美沙を一瞥(いちべつ)する。 2人は少し驚いたような顔で、美沙を振り返った。 「あの、次のライブ絶対行きます!!」