「すみません…わざわざ。」



私は運転している男性にお礼を言った。





「いいんだよ、ところで家はどこ?」






「あ、ここの近くなので大丈夫です!」






そう言って、私は車から降りた。




そしてもう1度彼にお礼を言って、家に帰ろうとした。





すると…





「え?鍵が…ない。」




うそ!?なんで…




まさか、落とした??





私がマンションの前でカバンを漁っていると、





「ほんとキミって可哀想な人だね。」





「…あ、まだいたんですか。」





私の目の前には先ほど、ここまで乗せてきてくれた男性が立っていた。





「自分でもバカだなって思います。」






「合鍵は?」





「…家です。」





「え?じゃあ、どうすんの?家に入れないじゃん。」





確かに………




鍵がなければ家になんか入れない。