「ねぇねぇ、友里恵!大学の目の前でめっちゃ高そうな車止まってるんだけど?」
ある日、友達の美香にそんなことを言われた。
「どこかの生徒の親じゃない?全く…親離れ出来ない子は嫌だねぇ~。」
「ハハハ、友里恵ったら~。」
そんな会話をしていると、1人の男性が車から降りてきた。
「う…そ?」
蓮さんだ。
2度目の再開からわずか1週間後、
連絡先を交換したわけでもなく、大学を教えたわけでもないのに、
なぜか今、ここにいる。
「あ、坂下さん。」
彼は私を見つけたのか、こっちに向かって手を振ってきた。
ちょっとやめてよ、こんな人がたくさんいる前で………。
そんなふうに思いながらも、また会えたことが少し嬉しかった。

