私がいくら叫んでも、腕を離そうとしない。 むしろ力が強くなるだけだ。 「いたっ…!」 挙句の果てには、男性のくせにけっこう伸びている爪が私の腕にくい込み、血が出てきた。 もう……。なんでこうなるかな。 まるで、一ヶ月前のあの晩みたいだ。 ついてない時は本当についてない。 あの日の夜は… 蓮さんが助けてくれて………。