それでも途切れることのない機械音。
もう…
やめて…
それから先生は機械の音を切り
そして、こちらを振り向き告げられた言葉。
「ご臨終です。」
聞きたくなかった。
耳を塞いでしまいたかった。
看護婦さんに離された私の体はもう1人では歩くことさえ難しくて。
だけど、なんとか辿り着いた爽太へと触れてみる。
さっきまで握り返してくれていたのに。
今はそれがかえってこなくて。
さっきまで目を開けていたのに。
今は光さえいれず閉じられたままで。
さっきまで喋っていたのに。
薄く開かれた唇は動こうとしない。
それでもまだと思ってしまうのは
消えない彼の温もりがそこにあるから。
「そ…うた……っ…起きて…」
またさっきみたいに笑って。
いつもみたいに笑って。
冗談でしたって言ってよ。
びっくりした?っていつもみたいに意地悪してよ。
怒らないから…
いまなら怒らないから…

