その声に混じり聞こえた名前は。














'「爽太」'












確かにそう言っていた。












その名前は一回ではなく、何回も声が変わっても呼ばれていて。













《とりあえず近くの総合病院に今すぐ来てくれ!》












それだけ言われ先ほどまでの騒音は一気に静まりかえった。














病院…爽太…







そのワードが私の不安を一気に騒ぎ立てる。















私は携帯と財布を乱暴にポケットへ入れると上着を着ることさえ忘れ
その病院を目掛け走り出した。