「俺に言えないこと?」 切なげに細められた目にうっすらと涙の膜が張られていることに気付いて、胸が押し潰されそうなほどに苦しくなった。 「薫、くん……あの……」 「今すぐしてもいい?」 そう言って、薫くんの手が私の腰に回ってそのまま押されるようにしてベッドへと放り出された。 「だ、ダメ!」 「どうして?」 覆いかぶさってくる大きな身体を押し返そうと伸ばした手はあっさりと薫くんに掴まれて自由を失う。 私は泣きそうになりながら首を横に振って、消えそうな声で懇願する。