――欲しい。 彼女の、心も、身体も。 真っ白で曇りのない柔らかな頬に触れると、涙で濡れていた。それに口づけると白戸さんは幸せそうにふわりと笑う。 砂川くんの前ではこんなにも可愛らしい表情や仕草を見せるのか。 「ふ、ん……」 罪悪感を振り払うようにその唇に噛み付くようなキスをすれば、柑橘系の甘い香りが鼻をくすぐった。 時折漏れる吐息すら愛しくて、全てを食べ尽くしてしまいたいと思ってしまう。