「だ、誰ですか!?」 「僕でーす」 どこかトゲのある声に振り向くと、台本を丸めて苛立ったように自分の肩にトントンと当てる東雲くんがいた。 どうやら、台本で殴られたらしかった。 「はー、ほんとなんなの?かおくんがいるのに堂々と浮気?」 「え?いや」 そんなつもりはない、と否定しようと立ち上がると次はおでこにチョップを食らってしまう。 これが、わりと痛い。