「何で一般人なんかと付き合ってるのかしら」 何気なく吐き出したメイクさんの一言が突き刺さる。 ここに、その"砂川薫の恋人である一般人の女"がいることも知らない2人から目を逸らして、私はスカートの裾を握りしめた。 どうして私が薫くんと付き合えているのか――そんなの私が一番知りたい。 私なんて、背も小さくてスタイルも良いわけではない。顔だって平々凡々。 芸能界という華やかな場所では誰の目にも止まらないだろう。