薫くんの膝の上に下ろされ、座らされる。 右手で私の腰を支えて、空いた方の手で薫くんはベッドの上に放り出されていたテレビのリモコンを手に取った。 「これで大丈夫。……ね?」 薫くんが音量ボタンを連打すると、先ほどまでうっすら聴こえてくる程度だったテレビの音量が聞きたくなくても聞こえてしまうほどに大きくなった。