「いつでもそうやって、甘えてきていいんだよ?」 「……あ、甘えるなんて」 そんなつもりはなかったんだけど、普段の私の恋人としてのそっけなさというか、ドライさからして見ると甘えているようにも見えるんだろうか。 頬に触れていた手が後頭部に回って、引き寄せられる。 「顔、赤いね」 「さ、さっきシャワー浴びたせいかも」 なんて苦しい言い訳を言っても薫くんには全部お見通しで、彼はくすりと小さく笑って私のおでこに自分のおでこをくっつけた。