「どうしたの?優衣ちゃんから俺のとこに来るなんて珍しいね」 することのなくなった薫くんはそう言いながらぽす、と音を立ててベッドに座った。 私はその正面に立って、薫くんを見下ろす。 「薫くんに、会いたくなって……」 小さくそう言えば綺麗な宝石のような瞳と視線がぶつかって、恥ずかしさで思わずうつむいてしまう。 「……目、そらさないで。ちゃんと見て」 薫くんの大きな手が頬に触れて、優しい仕草で顔を上げさせられた。