「ごめん、もしかして待ってた?飲み物切らしたから買いに行ってたんだ。入っていいよ」 「えっ」 部屋に入るつもりは毛頭なかった私は薫くんの言葉に驚いて間抜けな声を出してしまう。 そんな私の動揺を知ってか知らずか、薫くんは片手で鍵を開けて私の背中を押すようにして部屋に入った。 つけっぱなしになっている電気とテレビ。少しの外出だと私もよくやってしまうけれど、薫くんも同じなんだなぁ、なんて彼の私が知らない一面をまた一つ知ってほっこりしてしまう。