「あの子、かおくんの元カノ」 「へえー。…………………………………………元カノ!?」 車内に響き渡るくらいの大きな声を出してしまい、運転手のおじさんがびくりと肩を震わせていた。 私は慌てて頭を下げて東雲くんの方へ身を乗り出した。 「も、元カノって……え!?」 「ちょっと、声がデカい。うるさい。……僕達がユニットデビューする前だから、何年も前の話だけどね」 それを聞いて、私は全身から力が抜けるのを感じた。シートベルトの力従って自分の座席に再び腰を下ろす。