「おはよう」



いつの間にか薫くんと桃山さんも到着していたようで、薫くんが朗らかに笑って挨拶をしてきた。



「おはようございます、薫くん、桃山さん」


「ああ」



桃山さんは短く返事をして、私の足元に落ちた手帳を拾い上げて手渡してくれた。

先ほど東雲くんに驚いたときに落としてしまったものだ。