私が普段使っているテレビの前に置かれたテーブルの上には分厚い本、原稿用紙、タブレットパソコンがごちゃごちゃと広げられている。それをしたのは私の恋人である砂川薫。


数ヶ月前に事務所との揉め事はあったものの、薫くんはどうにか大学を卒業までこじつけて卒業生の登竜門(と表現するのは少し違う気もするけれど)ともいえる卒業論文と格闘していた。

芸能人といえど卒業論文だけは特別扱いできないらしく、他の学生と同じ量のレポートを作成しなくてはならない。最低でも50枚。


頭も良く基本的に何でもそつなくこなしてしまう薫くんだけど、さすがにこればかりは仕事との両立は難しくスケジュールを詰めたりして無理矢理連休をもらったそうだ。