「か、間接キ……」
言いかけて、恥ずかしさで爆発しそうになったので口を閉ざしてもごもごする。
薫くんは驚いたように目を丸くしたあと、ぷはっと吹き出した。
「今までもっとすごいことしてきたのに、今更間接キスで赤くなるの?」
耳に唇が触れそうなくらい近くで、そう囁かれる。
「やめてください、やめてください……」
ぽぽぽっ、と音が立ちそうなくらいに顔の温度が上がっていくのがわかって、私は顔を手で覆った。
「撮影が終わってホテルに戻ったら、俺の部屋においで」
「……ほ、お、あ」
追い打ちをかけるように、優しい微笑みで言う王子様に私は奇声を上げるしかない。
「どれだけ俺が君を愛しているから、たっぷり時間をかけて教えてあげる」
End.



