映画の撮影期間中とはいえ、3人の本業はアイドルなので撮影のない日は普通にバラエティ、ラジオの収録などもあるため事務所近くのスタジオに私は来ていた。


マネージャーとして仕事してる間、薫くんは露骨に私を避けるようにしていたのでこの数日間、話しどころか挨拶もまともに出来ていない。


そんな私達の様子を見た東雲くんは心底嬉しそうに「もう別れたの?残念だったね」なんて言うから私は泣きそうになるのをグッとこらえて、休憩時間に逃げるようにスタジオを飛び出した。



「うお」

「きゃっ!?」



飛び出した先に人がいたらしく、とっさにぶつからないように身をよじると足をくじいて視界が揺れる。


目の前に伸ばされた手にとっさに掴まれば、そのまま相手の胸へと飛び込んでしまう形となった。